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ハーレー交通事故(車両損害額交渉の増額事例)

当事務所では、ハーレーダビッドソンの交通事故について地域を問わずたくさんのご依頼を頂戴しております。

 

このブログでは、ハーレーでも特に旧車・ヴィンテージにあたる「アーリーショベル」の全損事故について、保険会社との交渉の結果、車両損害の賠償額が増加した事例を紹介いたします。

 

 

1. ハーレー「アーリーショベル」とは?

 

 1948年~65年まで製造されたパンヘッドに代わり1966年に登場したショベルヘッド。その前期モデルとなるのが、「アーリーショベル」です。

 アーリーショベルは、パンヘッド・エンジンの腰下(クランクケース)の構造を残したまま、「ショベル(shovel)」のような形をしたロッカーケースのヘッドに変更したモデルで、「パン・ショベル」と呼ばれることもあります。

 1970年、ショベルヘッドは、それまでの直流発電(6V)を交流発電(12V)に変更することに伴って腰下(クランクケース)の構造も刷新し、いわゆる「コーンショベル」と呼ばれるモデルに設計変更されました(写真は1979年式コーンショベルFLH1340です)。

 そのため、アーリーショベルは、1966年~69年のわずか4年間だけしか製造されず、希少価値・人気の高いヴィンテージ・ハーレーの一つとなっています。

 

2. アーリーショベルの相場は?

 

 バイクが全損の交通事故では、事故車両の相場価格が極めて重要になりますが、アーリーショベル等の旧車ハーレーの相場はピンキリで「あってないようなもの」と言えるかもしれません。

 「ミュージアム・コンディション」と呼ばれるような新車そのまま・純正度100%のものから、有名ショップでカスタム・フルレストアされたもの、見た目はヤレているけどエンジンは絶好調なもの、エンジンは辛うじてかかるけどまともには走れないようなもの等様々です。エンジンの状態は「あけてみないとわからない」ものも市場に出回っていて、外装からだけではその価値を判断することが難しいと言えます。

 もちろん、通常保険会社が相場を確認する「レッド・ブック」にも乗っていません。

 中古市場で希少価値がついているため、新車販売価格から単純に減価償却するような方法でも当然時価を算定することができません。

 

3. 保険会社との交渉事例

 

 上記のような特徴のある旧車ハーレーですが、当事務所では、旧車ハーレーの知見を活かし、様々な方法でアーリーショベルの相場価格を調査し根拠資料を基に主張した結果、保険会社提示の額を以下のとおり増額させることができました。

 提示額:約250万円

  ↓

 示談額:約310万円

 

4. 最後に

 

 相場のはっきりしている車両では損害額は一律に決まってしまい示談交渉での増額がなかなか難しい一方、旧車ハーレーでは上記のとおり時価算定が容易でないという特徴から交渉次第で賠償額を増額させられるケースがございます。

 ハーレーの交通事故についてはぜひ一度当事務所にご相談いただければと思います。

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